exlibris

Whatever you do, Whatever you say, Yeah I know it's alright

2005-01-01から1年間の記事一覧

機械・春は馬車に乗って

新潮文庫 横光利一 半分くらい読了 横光利一は中学の教科書で『蝿』を読んだだけだった。でも強烈に覚えてる。

ろくでなしの歌-知られざる巨匠作家たちの素顔

メディアファクトリー 福田和也 ほとんど読了

東京の昔

中公文庫 吉田健一 ゆるりと読了 その重吹と波の間を行く鳥が酔っているのを自分は感じると書いた詩人がそれを感じていない訳がなかった。 Perdu sans mats, sans mats, ni de fertiles ilots.....それは難破に命を賭しても自分の眼で確かめたかったことかも…

現代文学

文藝春秋 福田和也 おおまかに読了

ジョン・アーヴィングの世界

サンリオ ジョン・アーヴィング他 1986年1月出版の今はなきサンリオの本。 この本もいいけど、当時のサンリオ文庫のラインナップがすごい。 ・ G・マルケス 『エレンディラ』 ・ K・ヴォネガット 『ヴォネガット、大いに語る』 ・ J・アーヴィング 『ガープ…

若かった日々

マガジンハウス レベッカ・ブラウン 柴田 元幸 (訳) 最後のページに、小学6年生のとき、父と出かけた最後の記憶の、わたしたちが釣りをしている写真が挟まっているのではないかと怯えながら読んだ。 原題は"The end of youth"。 レベッカ・ブラウンの写真を…

安南

集英社 クリストフ・バタイユ(著) 辻 邦生(訳) 今年一番のヒットです。何年かしたら、マイベスト5に入るかも。 キリスト教のことも、フランスとベトナムの歴史もほとんど知らないけど、簡潔なのに、豊かな(こう書くとわたしの表現の貧相さが明らかだけど…

肉体の悪魔

新潮文庫 ラディゲ(著) 新庄嘉章(訳) 新訳も出ている模様なので、もっと古臭い訳なのかと思っていたら読みやすかった。 何の情景描写もない少年の独白が、甘ったるくて残酷なのを「ふーん」と眺めるつもりだったのに、少年はわたしで、マルトもわたしで…

無限論の教室

講談社現代新書 野矢茂樹 むずかしいけど、面白かった。 最後は小説読んでるみたいにドキドキした。なにかひっかかっるな、と思ったら、ヴィトゲンシュタイン。 0/1の直線を理解するためにもう何度か読むことになりそう。

アブサン・聖なる酒の幻

集英社 クリストフ・バタイユ(著) 辻 邦生 堀内 ゆかり (訳) アブサンを含ませた砂糖をなめてみたい。読後は、耳の後ろがボーっとするような、軽いアルコールを嗅いだような感じがした。 リンドウは決してよい香りはしないけれど。

民族学者の発想

平凡社 梅棹忠夫 梅棹先生は、もとは数学が専門で、みんぱくの初代館長で、失明してる方だそうです。 時間をかけて読みすぎたので、最初のほうは忘れてしまったけど、「教養について」、「音楽について」、「芸能について」、「国家と民族について」は、別々…

奇跡

集英社 岡本敏子 今年4月20日に急逝されたのがいまだにピンとこない。 前半はほとんどセックスの描写で、謙介はきっと太郎なんだろうけど、これも、なんともうまく想像できない(笑 いまごろ天国でよろしくやってるのであればオーライ。

いまどきの老人

朝日新聞社 柴田 元幸, 畔柳 和代(訳) ものすごい印象はどれにもないけど、この前読んだ「豚と精霊」の「老年期」に書いてあったみたいなことと比べると、いつもと違う読み方ができる。 スチュアート・ダイベックの「冬のショパン」はいつもの読み方でも、…

帯をとくフクスケ―複製・偽物図像解読術

中央公論社 荒俣宏 88〜89年に雑誌「マリ・クレール」に連載されてたエッセイだそうです。 「潜水マスクがない頃の海中事情」が興味深かった。西洋人は海中を断面に書いているのに対して、北斎はごく自然に上から覗き込んでいる。 最後までは解説しないで、…

近代の拘束、日本の宿命

文春文庫 福田和也 難しくて2割くらいしか理解できてないと思う。梅棹忠夫と横光利一は読んだほうがよさそうだと思った。

青の物語

白水社 マルグリット・ユルスナール 吉田加南子(訳) 「青の物語」、「初めての夜」、「呪い」の3編からなるおそらく絶版になっている本。 装丁は何種類かの青が使われててきれい。写真ではきれいに色が出てないけど、タイトル部分はビリジアンブルー?って…

豚と精霊

どうぶつ社 コリン・ターンブル 太田至(訳) 論文調ではないし、フォントが変わっていて読みやすそうだと思って社会人類学(≒民族学?)の本を手にとった。 アフリカの森に住むムブディという民族のフィールドワークと、スコットランド出の著者の個人的な体…

最後の瞬間のすごく大きな変化

文春文庫 グレイス・ペイリー 村上 春樹 (訳) 今も生きてるアメリカのおばあさんの短編集。 「生きること」と表題の「最後の瞬間のすごく大きな変化」に圧倒された。 唐突な箇条書きが好きだ。こんなの読んだ後に白州正子読んでも何も響かない。

ボーヴォワールは語る―『第二の性』その後

平凡社ライブラリー アリス シュヴァルツアー 福井 美津子 (訳) もうチャンスがない女性もいると思います。三十五歳にもなって、既婚で、四人の子どもをかかえ、なんの技能もなければ、そんな女性がどのように自分を解放できるのか、わたしには疑問です。成…

わが友サルトル、ボーヴォワール

読売新聞社 朝吹登水子 サルトルの哲学もボーヴォワールのフェミニスム論も何も知らずに読んだけど、だから良かった。 この本にもそんなことは書いてなくて、著者と彼らの食事の内容とか、ちょっとした会話など、でもサルトルとボーヴォワールがどんな人だっ…

緑の資本論

集英社 中沢 新一 藤沢アースダイバーGen氏の影響で、なにか新しい中沢新一を読もう、と思って借りてきました。 「圧倒的な非対称」では宮沢賢治や北方民話をテキストに、狂牛病を自然(動物)のテロとして展開していく。言葉は難しくないし、北方民話もとて…

観光―日本霊地巡礼

ちくま文庫 中沢 新一 , 細野 晴臣 まったくスピリチャルでないわたしですが、神社仏閣好きなので純粋に楽しめました。 おそらく10年以上前に出版された本ですが、「希望をもたなくてもいい」という締めが、今のわたしには新しく感じました。 天河と高野山に…

遠い山なみの光

ハヤカワepi文庫 カズオ イシグロ, 小野寺 健 (訳) 一見唐突な会話が、日本風な間合いなんだろうか? なぜかこの人の小説は風景描写が簡素だな、という印象を受けます。 原文でいつか読み直してみたいです。

おい、ブッシュ、世界を返せ!

アーティストハウス マイケル・ムーア, 黒原 敏行 (訳) 訳が下品なのかな?皮肉が湿っぽくて面白くなかった。 ただ、911とフセインは関係ないのに、今もイラクでは人がたくさん亡くなっているということを思い出した。

日の名残り

中央公論社 カズオ イシグロ, 土屋 政雄 (訳) 初めての作家の作品で、これほど静かに美しい物語を読むことができて、ほんとうによかった。 執事であるスティーブンスの一人称で語られるイギリスの田園風景や、屋敷についての描写は、少々物足りなさを感じる…

アメリカ文学のレッスン

講談社現代新書 柴田元幸 このところアメリカ現代モノばかり読んでいて、このあたりが10代後半からずっと好きで、久々に読んでも面白いものが多かった。 アメリカ現代小説は面白いけど、それがどう自分にとって活かされているのかはずっと不明で、ほんとうは…

オウエンのために祈りを

新潮社 ジョン・アーヴィング, 中野圭二 (訳) キリスト教の知識とか、宗教やその他のものへの信仰などがあれば、もっと強く共感できたり、この小説のテーマが捉えやすいのかもしれない。 残念ながらわたしはどちらも持ち合わせていなくて、他のアーヴィング…

ヴァインランド

新潮社 トマス・ピンチョン, 佐藤良明 (訳) 初ピンチョンは380ページで挫折。 DLの日本での少女時代のあたりはぐいぐい読ませるし、「なんでこれ映画化されないの?」と思ったけど、フレネシの学生運動とかは、やはり時代背景やなんかがわからないとついてい…

タイタンの妖女

ハヤカワ文庫 カート・ヴォネガット・ジュニア, 浅倉 久志 (訳) 饒舌な男は嫌いだけど、ヴォネガットとアーヴィングは大好きだ。 途中はうんざりすることも多いけど、タイタンについてからの描写は本当に美しい。 S氏の通う心療内科のテストによると、わたし…

時の贈りもの

筑摩書房 リンダ・グレース・ホイヤー 重兼芳子・裕子 (訳) この連作短篇集は、会社のそばの画廊の前庭で古本として売られていた。 画廊の横では白い種類のサクラの花が散っていて、庭の芝生はやわらかい緑色で、本の表紙には一重のバラとマメ科の花とスズラ…