exlibris

Whatever you do, Whatever you say, Yeah I know it's alright

2006-01-01から1年間の記事一覧

『プロとして恥ずかしくないWEBレイアウトの大原則』

MdN MdN編集部 ダイレクトなタイトルと銀色の表紙(指紋べたべた)が恥ずかしかったのですが、お仕事用に購入しました。 この数日css漬けです。

『芸術起業論』

幻冬舎 村上隆 先日、村上隆や奈良美智などの現代アートはわからん、と書いたけどわたしは分かりたかったのです。丁寧でやさしい言葉で書かれたこの本でそれらの見方(=見てるだけじゃダメなのだけど)と村上さんが目指すところを理解することができたと思い…

『山椒魚戦争』

岩波文庫 カレル チャペック 栗栖 継 (訳) 古い本ですが今年のべストかも。 『園芸家12ヶ月』『ダーシェンカ』などは読んだことがあったけど、こんな面白い作家だとは知らなかった。しかも戦争中は発禁になるほどの本だったらしい。 知能をもった海に棲む山…

『新教養主義宣言』

晶文社 山形 浩生 バロウズの翻訳をやってる人として知っていたけど『伽藍とバザール』もこの人の訳だった。 90年代後半の文章をまとめたもので、やっぱりインターネット以前(まだパソコン通信とか言ってたころ)、9.11以前のこの手の文章は読んでもどうか…

『おとな二人の午後―異邦人対談』

世界文化社 五木 寛之, 塩野 七生 塩野さんが意外と若々しく、女性らしいというよりも「女」という感じだったのに少々驚きました。『ローマ人の物語』は読んだことないけど、歴史研究家というか大学の先生みたいなイメージだったのかも。 内容はかなりいい歳…

大原美術館と私 50年のパサージュ

山陽新聞社 藤田 慎一郎 去年大原美術館に行ってとにかくすごい美術館だと思っていて、興味深く読むことができました。絵画ってこんな風に買うんだ、というのも初めて知りました。画商ってあこがれるなぁ。 絵や彫刻の一つ一つがこんなエピソードをもってこ…

ラテンアメリカの小説の世界―想像力の目眩

北宋社 鼓 直 ボルヘス、プイグ、ガルシア・マルケスしかここで紹介されている作家は読んだことがないし、名前も初めて聞くのがほとんどだった。 1970年代にフランス語圏の人たちが読み始めてラテンアメリカ文学がブームになったと書いてあって驚いた。フラ…

トゥルー・ストーリーズ

新潮社 ポール・オースター 柴田 元幸 (訳) エッセイを読むのは初めてかも。フランス語で仕事をしていた人だとは知らなかった。そしてジャン・ジュネがニューヨークで演説をしたとき横で通訳をしたというエピソードにはびっくりした。 でも一番印象に残って…

タモリのTOKYO坂道美学入門

講談社 タモリ 『アースダイバー』を借りるともれなくこれもついてきます、ということでお借りしました。こっちはお気楽なお散歩ガイド風です。 わたしは大学時代、高輪近くの学校に通い、麻布十番でアルバイトをして、小石川植物園近くのボーイフレンド宅に…

アースダイバー

講談社 中沢新一 来月中沢先生の講演を聞きにいくので、予習が必要かと藤沢アースダイバーのCane'sゲンさんにお借りしていっきに読みました。やっぱりエロスとタナトスを語らせたらこの人の話が一番おもしろいよなぁと思う。そしてそれが自分の知った土地に…

パラケルススの薔薇

ホルヘ・ルイス・ボルヘス 鼓 直(訳) ボルヘスという名前くらいは聞いたことあったけど、訳者の鼓さんのほうがガルシア・マルケスでなじみがあった。装丁がかっこよくて手にとったけど、4つの短編とロングインタビューからなる中身もすごかった。やはりいつ…

あの夏、ブルー・リヴァーで

文藝春秋 イーサン・ケイニン 雨沢 泰 (訳) うーん。一人称で十代の頃のけっして陽気ではない出来事を回想するように語られても、いまは何も感じない。それでも飽きることなくドーッと読めたのは、もちろん翻訳を読んでいるのだけど、表現が上手なんだろうな…

こころの王国

文藝春秋 猪瀬 直樹 『マガジン青春譜』をだいぶ前に読んで菊池寛にはとても関心がある。けど作品は読んでないなぁ。 これは秘書の女性の告白形式で菊池寛のことが書いてあるんだけど、あの猪瀬さんが女ことばで書いたんだと思うとちょっとヘン。 主人公の住…

お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ

PHP研究所 邱 永漢、糸井 重里 お金のことを考えるっていうのは仕事のことを考えると切り離せないけど、お金のことを先に考えると仕事のことはつまらなくなる。やりたいことで必要なだけのお金が稼げればいいけど、そうやってるひとを見る機会はあまりない。…

ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻

新潮社 N・ホーソーン 柴田元幸(訳)/ E・ベルティ 青木健史(訳) 1835年のアメリカでホーソーンによって書かれたロンドンを舞台にした10ページほどの短編『ウェイクフィールド』と、ブエノスアイレス(!)生まれのベルティが1999年に書いた『ウェイクフ…

Software Design

技術評論社 久々にお洋服の雑誌でも買おうかと思ったらなぜかこっちをレジに持っていってました。 今、会社でグループウェアの選定やってて、採用されるわけないけど、超気になったのがZimbra。すげーな、Ajaxって。 昔だったらどうやってこういうの作るんだ…

いつか読む作家のリスト

チーヴァー ゲイル・ゴッドウィン ヘラー ジョン・ホークス ハインリッヒ・ベルギュンター・グラス コンラッド バージニア・ウルフ スタンリー・エルキン ハーディ ローレンス ホセ・ドノソ ジョン・バース ジョン・バースはこのあいだ手にとったけど、癖が…

直伝!プラニング編集術

東洋経済新報社 ISIS編集学校, 松岡 正剛 (編集) 去年の夏に一度読んだのですが、新しいサイト作ろうと思って再読してます。 メタファー稽古がけっこう好きです。ISIS編集学校のとりあえずWEB門前でも申し込んでみようかな・・・。 松岡さんは千夜千冊で知り…

会社人間の死と再生

扶桑社 村上龍 おどろおどろしいタイトルだけどインタビュー集なので数時間であっさり読めます。金融とかゼネコンなんかはあまりにも縁遠いのでしっかり読まなかったけど、外資系IT企業のひととか、倒産経験者とかは身近で他人事とは思えない。一番面白かっ…

蝶が飛ぶ葉っぱが飛ぶ

講談社文芸文庫 河井 寛次郎 『河井寛次郎の宇宙』と文章は同じものが多い。「陶技始末」は陶芸がわからないのでちょっと難しいけど、ゆっくり読み直していこうと思う。 自分はこの世へ喜びをさがしに来ただけだ 考えは間違ってもからだは間違えぬ 人がさが…

河井寛次郎の宇宙

講談社カルチャーブックス 河井寛次郎記念館編 作品の写真が多く、記念館に行ったときは建物や家具ばかりに目がいってあまり見ていなかったことを後悔しました。 梅棹忠夫さんの文章があって、寛次郎の娘さんの須也子さんの子供の時の回想がよかった。 此世…

冬の猿

文遊社 アントワーヌ ブロンダン 野川 政美 (訳) 曇天の冬のフランス郊外という雰囲気は伝わるけど、35歳の酒に溺れる子持ち男にも、60歳の戦争体験を引きずる男にも、また彼らの気持ちが交わるところにも、どれにも感情移入できず、よくわからない作品でし…

未亡人の一年

新潮社 ジョン・アーヴィング 都甲 幸治, 中川 千帆 (訳) 怒りや恐れや悲しみ(主に女性の登場人物がもつ)を、「怒れるのはいいことだ」というように受け止めてくれる人々がいて、彼らもただ優しく魅力的なだけでなく、その人のげんなりするようなところまで…

ウェブ進化論

ちくま新書 梅田 望夫 梅田さんのはてなのサイトはちょくちょく見ていたので、内容に驚くことはないけれど、やっぱりこうやってまとめて読むことによって思うことは多々ある。 わたしは「不特定多数無限大への信頼」を寄せていて、オープンソースへなんらか…

バースデイ・ストーリーズ

中央公論新社 レイモンド・カーヴァー, ポール・セロー, ラッセル・バンクス, デニス・ジョンソン, ウィリアム・トレヴァー, ダニエル・ライオンズ, リンダ・セクソン, デイヴィッド・フォスター・ウォレス, イーサン・ケイニン, アンドレア・リー, 村上 春…

ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を

新風舎文庫 菊地 敬一 大学生の頃、下北沢のヴィレッジ・ヴァンガードに初めて行ったとき、こんな本屋あり?と思って驚いた。たぶん、「クイック・ジャパン」のバックナンバーかなにかを買って帰ったような気がする。 当時、本屋やりたいなぁ・・・とぼんや…

翻訳夜話2 サリンジャー戦記

文春新書 村上 春樹, 柴田 元幸 だから君も他人にやたら打ち明け話なんてしないほうがいいよ。 ブログなんてまったく頭のイカレたやつらのやることだと思ってたけど、やり始めてみると、自分の気持ちを言葉にするように努力してみたり、誰かと何かを共有する…

エロティシズム

中公文庫 澁澤 龍彦 前半は形而上的なお話で面白かったけど、後半は澁澤の名前が表紙についてなかったら、電車の中で読むにはちょっと恥ずかしかった。 ボーヴォワールが何度も槍玉に上げられててかわいそうだったけど、あとがきで、書いた当時と現在では意…

哲学の謎

講談社現代新書 野矢 茂樹 ほとんど酔っ払いながら読んだ。 5分前に世界が始まったとしても、いまと何一つ違わない世界で、ことばによって虚構を紡ぐんだって。対話形式なんだけど、こんなインテリジェントな会話、かっこよすぎて吐きそう。・・・ただ飲みす…

手紙、栞を添えて

朝日新聞社 辻 邦生, 水村 美苗 文学についての往復書簡で、読みやすいけど、ほとんど読んだことのないものばかりだったせいか、なにも心には残らなかった。 ひとつ面白かったのは「若草物語」なら自分は誰、というやつ。子供の頃、わたしは図々しくべスだと…