exlibris

Whatever you do, Whatever you say, Yeah I know it's alright

『昨日までの世界―文明の源流と人類の未来』

領土問題、戦争、子育て、高齢者介護、宗教、多言語教育などの各章を興味のあるところから読んでみたけど、どれも単にニューギニアと西洋文明の比較にとどまらず、でも著者が実際フィールドで経験したニューギニアのエピソードはどれも鮮やかでより興味深い。上巻の戦争の章と下巻の宗教の章は後回しにしてたら、返却期限がきたので読みきれなかった。

 

子育ての章ではアロペアレンティングに触れられていて、30代の初めころコリン・ターンブルの「豚と精霊」読んでコミュニティで子供を育てられるならそうしてみたいと思ってたことを思い出した。

 

加齢に伴う心身の強みと弱みの変化を理解してうまく活用する。熱意、競争心、体力持久力、集中維持力、問題解決のための論理的思考の構築力は低下。加齢とともに向上ー専門分野の知見経験、人間や人間関係の理解力、エゴを抑えて他人を助ける力、複雑な問題解決のための学際的思考の組み合わせ力

 

この高齢者の章を読んでたのは東京都知事選挙の日で、加齢に伴う強みと弱みについて41歳のわたしだっていろんなことが減速してるって思うのにあの高齢立候補者たち(結局66歳の舛添さんが当選した)が今求められるスピードで意思決定して動いていくことができるのか疑問に思う。でも上のような強みを活かしてがんばっていただきたいです。

 

「銃・病原菌・鉄」読む前に新しいのと思ったけどamazonのレヴューでは評価低め、75歳とかになってれば新しいこと発見するより再構築ってなるのかもしれない。下巻の最後の音楽家のエピソードみたいにうまくいくとは限らないのか?

 

『昨日までの世界―文明の源流と人類の未来』

『ブエノスアイレス食堂』

最近はアマゾンで検索して図書館で予約してばかりだったけど、久々に書架をうろうろして見つけた本。ただし、陽気な南米のレストランの話かと思っていたらカニバリズムの暗黒小説だった。冒頭でクンデラが引用されてるところで気づけよという話だけど。でもレクター博士的なファンタジーで不思議とグロいことはない。同じような名前の先祖や親戚がたくさん出てくるところは百年の孤独みたい。それまでは魚のメニューも多く出て来るのに、最後は当然肉料理のオンパレードになるのだけどお客さんは不思議に思わないのかしら、って突っ込み入れたいところ。

『ブエノスアイレス食堂』

『少し不思議。』

デイリーポータルZの書き出し小説大賞が好きで手に取ったけど、正直何も感じなかった。十代のころは間違いなくサブカル少女だったけど30年近くたってわたしはサブカルにはついていけてないことがよくわかった。

この曲とちょっと関係がある。『電気グルーヴ20周年のうた』

『少し不思議。』

『Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す』

ニワトリの章と子供の教育の章がすごくよかった。失敗することにビビりすぎるな、ってメッセージが重要。わたしの父は庭に小屋たてたり、母はチラシ紙でさえ細く撚ってかご編んだりするmakersだった。

図工の時間で大きな木のスプーン作ったとき買ってもらった彫刻刀まだ持ってるし、去年見たカチーナ作ってみたくて木片買ってきた。小刀はあったかな、、

『Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す』

『ひとりの体で』

このところLGBTのことやエイズのことをニュースで聞いたりする機会が多かったのでタイムリーだった。シェークスピアとかよくわからないし上巻は退屈だったけど下巻の「エピローグの世界」からはすごい勢いで展開して、最後の10ページくらいでハッピーエンディングになっていくのが分かって胸が苦しかった。でもキトリッジとその息子の描きかたはちょっと雑な気もしなくもない。お祖父ちゃんのくだりはアイオワボブを思い出す。実の父フラニーとそのパートナーのボヴァリーに会うところは映画みたいに想像できてすてきだった。

アーヴィング自体は怒りに突き動かされてる印象は全くないけど、アーヴィングの作品に出てくる小説家たちはなぜか怒ってることになってる。「不寛容に対して不寛容すぎる」。強いメッセージという点で似てる『ガープの世界』は読み直しが必要だな。

『ひとりの体で 上』

『短くて恐ろしいフィルの時代』

絵はないけど絵本みたいな、最初はエドワード・ゴーリーみたいな感じかと思って読んでいたけど、途中からは、小説を書く学校とかワークショップとかで取り上げられそうなテーマ、構成なのかしら、と思いながら読んだ。こっちはソーンダーズ、もうひとつ翻訳されてるほうはソウンダースと名前が訳されてるので注意。もういっこのほうも読んでみたい。

『短くて恐ろしいフィルの時代』