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exlibris

Whatever you do, Whatever you say, Yeah I know it's alright

『ウィキノミクス』

『フラット化する世界』よりもう一歩突っ込んでわたしたちのリアルに近くておもしろい。

学校でビジネスプランの策定を習ったけど、具体的な成長率の数字を初めて知ったのでメモ。

現代を生き抜くためには、変化と成長を続けていかなければならない。「成熟期に入った企業は、毎年、5%から7%というゆるやかな成長を続ける必要があります」とラリー・ヒューストンは指摘する。

シアトルでプリングルス買ったときに青いインクで一枚一枚にトリビアが描いてあるのをみて気持ち悪いなあ、と思ったけどこんな努力があったのだ。

イデアゴラは、社内では不可能なほどの革新をP&Gのような企業にもたらしてくれるだけでなく、価値を付加する能力をとぎすますとともに、すでにあるものを一から開発することを防止してもくれる。たとえば、プリングルスの新製品でポテトチップのすべてになぞなぞと動物の絵を描こうとしたとき、P&Gは、膨大な数のポテトチップにくっきりした絵を描くという作業が思いのほか、難しいことを知った。従来であれば、P&Gは社内に専門チームを設置したり、印刷会社と提携したりしたことだろう。ここでP&Gはアイデアゴラ活用の道を選んだ。技術を説明した文書を作り、この問題を解決できる備えある人材がどこかにいないか、グローバルネットワーク問い合わせたのだ。解答は、イタリアはボローニャにある小さなベーカリーから返ってきた。大学教授の助けを借り、食べられる絵をケーキやクッキーに描いているというのだ。(中略)こうしてP&Gは、従来よりもずっと低コストで、一年もかけずにプリングルス・プリントチップスの発売にこぎ着けた。P&Gでは同じ方法を全事業に応用することにより、最先端である必要のない分野の技術は社外から調達し、世界をリードできる分野に集中するようになった。この戦略は、本当に大きな配当をもたらした。革新をオープン化することにより、P&Gがいかに大きく変化したか、ラリー・ヒューストンとナビル・サッカが『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に描いた記事がある。(以下略)

先週参加したGoogle Developers Dayで、Googleが同じような検索ツールを中国大地震のために作成したというエピソードをどこかのセッションで聞いた。でもそれ以前のカトリーナですでにそういう取り組みはあったというのだ。

カトリーナ災害時の救援プラットフォーム、ピープルファインダーでは、非営利のソーシャルソフトウェアを運営していたデビッド・ゲイルハフを中心としたチームが、さまざまなデータベースやオンライン掲示板から行方不明者の名前と場所、年齢、説明などの関連情報を「スクリーンスクレイピング」という技術で自動的に集め、再構成して中央データベースとした。行方不明者情報を整理するため、ピープルファインダー・インターチェンジ・フォーマットというオープンソースのデータ仕様も作った。しかし新しいオンライン上の情報は彼らがつくったXMLフォーマットからは外れていた。これに対して彼はボランティアを募ってデータ書き直しの作業にとりかかった。最終的には65万に達したデータは、www.katrinalist.netに置かれた検索ツールでハリケーン直後だけで100万回いじょうの検索が行われた。

ほかにもたくさんの重要なエピソードとこれからの働き方が描かれています。ITに関わるひとでなくても必読だと思います。

革新的エコシステムの包括的なマップを作成する。

このマップで自社の価値創造がどこに位置するのか確認し、エコシステム内部の依存関係を評価してメリットの一部を手に入れるためにはどうしたらいいかを検討するのだ。描き出されるものは従来の競争原理でもなければバリューチェーン分析でもない。既存および章ありの自社偉業との関係で、参加者が知識を創出していく様子を分析し、明らかにするのだ。この対象にはパートナー各社や、競合他社を含むが、それだけでなく、学会や公共研究機関、シンクタンク、クリエイティブなコミュニティや業界コミュニティ、委託研究機関なども含む。自社の戦略と関係のある分野、すべてをカバーするとともに、グローバルなマップとしなければならない。

このマッピングにより競合他社はどの領域で革新を推進しているのか、自社の資源をどこに集中すれば、市場で自社を差別化できるのか、社員は、適切な知識創造のネットワークにアクセスできているのか。研究開発費を削減し、成長を促進し、エコシステムへの参加者を増やすため(アマゾンの電子商取引プラットフォームのように)公開できる製品やプロセス、資源はどれなのか。重要な革新を入手するため、あるいは自社の革新をライセンス供与するため、参加すべきアイデアゴラはどれなのか。

ウィキノミクスの設計原則

  • リードユーザからヒントを得ること
  • クリティカルマスを達成すること。
    • エコシステムに集まり始めるまで参加者を増やせるかどうか。
  • コラボレーションのインフラを提供すること
  • 十分な時間をかけて適切な構造と統制を実現すること
  • 参加者全員が価値を得られるようにすること
    • コラボレーションによる革新の財産権を上手に分配できれば協創環境で生まれた緊張を和らげられる可能性がある。
  • コミュニティの規範に従うこと
  • プロセスが進化するに任せること
  • コラボレーションの精神を研ぎすますこと
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