サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
経営コンサル的なのと心理学的な見方があるけれど、サイロの存在とその影響を分析議論するためのフレームワークとして人類学的なアプローチをしようとしてるのが本書らしい。そもそもサイロは文化現象でその文化的パターン=分類学を研究するという方向なのだそうだ。
組織が大きくなってできた分類の隙間に起こる問題を企業や金融システム、行政などの具体的なケースで説明している。ダメなケースではソニー、よいケースではシカゴ警察の話が印象的だった。
既存の分類システムに疑問を持つのに不可欠な想像力を持つには
1.現場に出てミクロレベルのパターンからマクロ的全体像をつかもうとする
2.オープンマインドで観察する
3.タブーや退屈だと思って語られない部分、沈黙に感心を持つ
4.ひとが語ることとそ行動のギャップに注目する
5.異なる社会、文化、システムと比較する
6.人間の正しい生き方はひとつではない、という立場をとる
「インサイダー兼アウトサイダー」の視点から自分たちが世界をどう分類しているかを見直すことは避けることのできないサイロの弊害にとらわれるのを避ける方法のひとつだという。
本筋じゃないけれど面白かったのはロビン・ダンバーのダンバー数とよばれる人間にとって最適な社会集団の規模が150人前後という数だ。facebookの友達の数はだいたいこのくらいだし、twitterのフォロー数も100超えないようにコントロールしてたけどこっちはもう少し増やしてもよいかも、と思った。