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『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』

加賀藩の経理帳簿37年分と、四代にわたる世襲経理担当者の手紙から幕末の武士の暮らしぶりや、維新前後の世相がわかるものすごい興味深い本でした。武家社会では武士が小銭数えるのがみみっちくてよろしくない!ということであまり給料のいい仕事ではなかったらしいけど、版籍奉還で武士が仕事にあぶれていくなか、で三代が海軍の財務担当になると、いまでいう年収3000万円超の勝ち組になってしまう。二代目はそれでもやっぱり天皇陛下より藩主に忠誠心を感じていたり、もうオレは時代についていけん、といじけてながらも孫をそろばんでひっぱたきながらやっぱり算数教えてたり、というエピソードもほのぼの楽しい。日本史勉強してる高校生は読んだらいいのにと思いました。

『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』