exlibris

Whatever you do, Whatever you say, Yeah I know it's alright

未亡人の一年

未亡人の一年新潮社 ジョン・アーヴィング 都甲 幸治, 中川 千帆 (訳)

怒りや恐れや悲しみ(主に女性の登場人物がもつ)を、「怒れるのはいいことだ」というように受け止めてくれる人々がいて、彼らもただ優しく魅力的なだけでなく、その人のげんなりするようなところまで描ききってるところ。

娘と父という二人の関係と、母の失うことへの怖れ。(最後のマリアンのセリフでは失うこととは違うみたいだったけど、父娘はそう理解して37年間過ごしたように書いてある)。わたしは母じゃないけど、この二つはなんだか旬なテーマで、また自分に言い訳してる気がする。

そしてなによりもストーリーとプロット。90年代の設定だからか、他の作品と比べて現実的な印象なのと、やっぱりこれはアーヴィングの物語だということは間違いない。

ラストの一行を読んだあと、窓をあけて月を見たら輪郭がぼやけました。

映画化されてるらしいけど、どこをどうやってしたんだろう・・・?